昨日公開をした「ページスピード」に関するセミナレポートはご覧にいただけましたか?
セミナーレポートでは語らなかったモバイルのページスピードなぜあげる必要があるのかがDoubleClick Publisher Blogに書かれていますので、是非セミナーレポートと一緒にご覧ください。
今回は、モバイルページの表示速度がユーザーエンゲージメントとパブリッシャーの収益に及ぼす影響について、当社が行った最新調査からのインサイトをご紹介します。ユーザーのモバイルエクスペリエンスへの期待が高まるにつれ、単にモバイルデバイスにページを読み込み、表示させるだけではもはや十分ではありません。それだけではなく、モバイルサイトを高速化・最適化させる必要があります。
当社が10,000以上のモバイルサイトのドメインを対象に調査を行い、分析したところ、残念ながらモバイルサイトの大半が、3G環境下におけるモバイルサイトの平均読み込み時間である19秒 という基準Webpagetest.org:高速3G回線を使用し、世界の118,000のモバイルサイトドメインを読み込んだサンプルデータ。キャッシュ化されたものではなくファーストビューのみ。(2016年2月)を満たしていないことが分かりました。19秒というのは、あの『ABCの歌』をAからZまでフルで歌うのとほぼ同じ長さ。そのくらい時間がかかっているということです。参考情報:サイト『NPR』掲載記事 「Keep Flu At Bay With A Song(歌でウイルスを予防する)」(2009年4月)
ページの表示速度が遅いサイトは、ユーザーにストレスを与え、パブリッシャーにも悪影響を及ぼします。広告収益に影響を与える要因はいくつかありますが、読み込み時間が5秒以内であるモバイルサイトのパブリッシャーは、読み込み時間が19秒以内のパブリッシャーに比べ、最大2倍ともなる広告収入を獲得できるという当社の予測データがあります。Googleデータ:ベンチマークデータの共有向けモバイルサイトを『Google Analytics』『DoubleClick AdExchange』にて匿名化・収集したサンプルデータ。(n=4.5K2015年6月〜2016年5月)
さらに、表示速度が5秒以内の場合、広告のビューアビリティは19秒以内のサイトに対して25%高まり『DoubleClick for Publishers(DFP)』:70%計測可能な広告ビューアビリティを持つ107,000のモバイルサイトのドメインに対して行った『Google Active View』による広告ビューアビリティの調査。(Global、2016年2月)、平均セッション時間は70%長くなるGoogleデータ:ベンチマークデータの共有向けモバイルサイトを『Google Analytics』にて匿名化・収集したサンプルデータ。(n=3.5K2016年3月)という調査結果も出ています。
このことから、当社はパブリッシャーを成功へと導くため、モバイルファーストのソリューション提供に注力してきました。具体的には、公開からもうすぐ一年になる『AMPプロジェクト』への参加、拡張性の高いネイティブ広告によるソリューション提供の開始、レイテンシーの最小化を図り、パブリッシャーの収益増加へと繋がるプロダクトへの投資などです。
モバイル表示速度の高速化は、かつてないほどその重要性を増しています。
3、2、1…そして、離脱へ
表示速度の遅さは、大きなデメリットをもたらします。
- サイト訪問者の53%は、ページ表示に3秒以上かかる場合に離脱する恐れがある。Googleデータ:ベンチマークデータの共有向けモバイルサイトを『Google Analytics』にて匿名化・収集したサンプルデータ。(n=3.5K2016年3月)
- 2人に1人は、2秒以下でページが表示されることを期待している。Akamai Technologies:2014年ウェブパフォーマンスに関する消費者動向調査
- モバイルデバイスでのウェブサイト閲覧時に、最も嫌うのがページ表示までの待ち時間であると回答したユーザーは46%である。参考情報:『Google Webmaster Central Blog(ウェブマスター向け公式ブログ)』掲載記事「#MobileMadness: a campaign to help you go mobile-friendly(#MobileMadness:サイトをモバイルフレンドリーにするためのキャンペーン)」(2015年4月)
これは、みなさんもご自身の経験から十分お分かりかと思います。スマホで情報検索をしていて、ページ表示までに数秒以上も時間がかかる。このような場合、あなたは果たしてどのくらい待つことができるでしょうか?
モバイルサイトの表示速度を低下させる3つの主な原因は、ファイルサイズ、サーバーへのリクエスト数(サーバーへの通信回数)、ページ上に複数存在している要素の読み込み順と関係があります。今回の調査では、次のことが分かりました。
- モバイルサイトにおけるコンテンツの平均サイズは1.49 MB。3G環境下で同サイズを読み込むには7秒かかる。Webpagetest.org:高速3G回線を使用し、世界の118,000のモバイルサイトドメインを読み込んだサンプルデータ。キャッシュ化されたものではなくファーストビューのみ。(2016年2月)
- モバイルページのリクエスト数は平均214回。全リクエスト数のうち約半数は、広告関連である。Webpagetest.org:高速3G回線を使用し、世界の118,000のモバイルサイトドメインを読み込んだサンプルデータ。キャッシュ化されたものではなくファーストビューのみ。(2016年2月)
サイトの表示速度を上げるために
ページの表示速度に関する問題を診断し、修正・改善を行うために活用できるツールは多数あります。ここでは、モバイルサイトの表示速度を高速化するための3つのステップをご紹介します。
ステップ1:測定
『PageSpeed Insights』『Mobile-Friendly Test』『Web Page Test』のような診断ツールを使い、現状のサイトパフォーマンスをチェックし、測定する。
ステップ2:実行
容量の大きいコンテンツを削除、サーバーへのリクエスト数を減らす、データとアナリティクスタグの統合といった修正を試みる。また、要素の順番を変更し、まずはファーストビューで表示すべき最小限の要素を選択し、表示させる。スタイリング、javascriptのロジック、タップ・スクロール・スワイプといったアクション後に表示される画像は、後で読み込みするように設定すればよい。
ステップ3:確認
変更を行った後は、パフォーマンスをチェックする。A/Bテストを行い、サイトのセットアップを定期的に調査する。そして、レイテンシーを発生させる要因を見つけ、取り除いていく。
上記のステップ以外には、『Accelerated Mobile Pages (AMP)』や『Progressive Web Apps』といったオープンソースプロジェクトなども活用していくといいでしょう。
今回の調査及びモバイルサイトのユーザーエクスペリエンスを向上させるための方法に関する詳細情報は、「The Need for Mobile Speed」(g.co/MobileSpeed)をご覧ください。
投稿者:Alex Shellhammer 、Juliette Neel
本記事は、「The need for mobile speed.」を翻訳したものです。本記事の内容や見解はGoogle社のものであり、当社のものではございませんのでご了承ください。
This article is translated from “DoubleClick Publisher Blog“. The original copyright is held by Google.
The original article: The need for mobile speed.